フライトジャケットの心得を教えてあげよう。
 
ええっへん、いいかね、まず第一にだ、えー、あー、・・・・
 という偉そうなことを言うつもりはありません。ははは。

 私なりに会得したことを、初心者の皆さんに参考になればと思って設けたコーナーです。
 気軽に読んで一つの意見として甘受頂ければと思います。
 尚、フライトジャケットと言う言葉は長いので、以下FJと表します。
 ヤフーオークションはヤフオクというわけです。

 1.サイズ選び。特にA2・・・

 これは大事ですよね。
 サイズの合わないFJを着るというのは実にみっともないし、本人も気分が良くないことでしょう。
 大きくても野暮ったいし小さくても滑稽。
 FJの道は的確なサイズ選びができるかどうかでスタートと言えましょう。
 (カッコイイ!)
 まず、第一に肝心なのが胸囲です。
 胸囲の合うものを選ぶのが基本中の基本。
 私は時にヤフオクに不要になったFJを出品していることがあります。
 その際、「私は身長xxで体重xxですが、着用可能でしょうか」という質問をされることがあります。
 しかし、これには返答できないんですね。
 私と同じ身長と体重だったとしても、胸囲が貧弱で尻だけ妙にぷりぷりしている方だったら私のサイズとは違ってくるわけですから。
 身長は二の次でいいと思います。
 参考までに、胸囲107という私はマッコイのラウウェアやRWAのA2なら42、ドゥボウやウェーバーA2なら40、ナイロンのL2系なら42、MA-1ならLARGEでオッケーです。
 
 よく、FJはタイトめに・・・と言いますよね。
 それは正解です。
 しかし、身動きがとれないくらい小さいのは絶対に変です。
 命がけのパイロットが、そこまでタイトで鬱血するくらいキツめの服を着ていたとは思えません。
 インナーにチノシャツ程度一枚を着て気持ちよくフィットする大きさ。これです。
 スウェットも楽勝でインナーにできる程度というのは、A2に於いてはちょっと問題ですね。
 大きすぎです。スウェットをインナーにすると、ジップアップしたらキツぃ・・・この位です。
 どうしてもインナーにスウェットを着たいなら、映画「大脱走」のマックィーン君のように、軽く羽織る感じに着ましょう。

 2. どのように着るか

 どういう風に着るのが一番カッコイイのか・・・
 例えばA2においてはそれはチノシャツにチノパン、ネクタイを締めてピカピカのチャッカブーツを履き、胸元のVゾーンが覗く程度までジップアップする感じだと思います。
 しかし、それではキメ過ぎというものです。
 私はネクタイこそしませんが、たまにそれに近い恰好で出掛けたりしますが、私の住んでいる地域性もあって「自衛隊さんだ」と子供に指さされたこともあります。

 本物志向というのはいいものです。

 しかし、軍人でもない人が着る以上はしょせんはファッションなわけです。
 どんなにこだわろうと本物にしか見えなかろうと、究極まで真似てもせいぜい「コスプレ」としか思われません。
 ススキノのキャバクラのおねーちゃんがナース姿になっているのはある意味本物よりは素晴らしかったりしますが、しかしやはり実際に勤務中の看護婦さんを病室で「あんなことも、そんなことまで」してみたいという願望の前には霞みます。
 従って、ファッションである以上は「どう見られたいか」というのが大切な要素になってくると思います。
 「おれはやんちゃな野郎だから、下手に関わったらケカ゜するぜ」というアピールをしたい人がヤンキーファッションに走るようにです。
 本当はとんでもないイケイケのおねーちゃんなのに「お嬢様っぽく着こなしたい」というのは、自分がイケイケであることを隠したいという願望の現れです。
 田舎っぺが都会に行くと一年くらいで妙に服装が派手になったり、キノコみたいな頭だったくせに茶髪で実際の都会人より凄いことになったりするのも、「おれはもうカッペじゃねーだよ」というアピールをしたいからでありましょう。

 私が思うに、こだわりもポイントを外すとちょっと厄介なことになります。
 例えば、私は実物のG1にベタベタとパッチを貼ってトップガンみたいにしてしまいました。
 それについては「おれは軍っぽいのが好きなのさ」というアピールをしたかったためなので、今でも別に後悔はしていません。
 しかし、ある女性に「レーサーなんですか」と訊かれ、「はぁ・・・」力が抜けた経験があります。

 私が目指しているのは、「余暇のパイロット」というものです。
 自分のお気に入りのシャツ、ジーンズ、シューズをトータルに着こなし、それに自分のアイデンティティーともいうべきA2を羽織る・・・
 これです!

 私はジーンズにTeeという服装にA2を着るというのが大好きです。
 シューズもやはり革がいいですね。A2にスニーカーというのはどうも好きになれません。
 たまにやっちゃいますが、せめて革のスニーカーにしています(^^)
 北海道は比較的年間を通してFJを楽しめる所です。
 冬ならB3やN3なんかが現役で活躍できるんです。
 もうすぐ4月という現在、やっと天気の良い日ならTeeにA2というのが楽しめるようになります。
 週末にA2で出掛けるときの嬉しさというのは堪えられません。
 車内で日光を浴びながら、革の芳香の漂うのを楽しむのもいいものてす。

 FJを着る上で、私が好むのは「ハズシ」です。
 FJというものは軍服であり、本来強面なイメージがあります。
 戦闘のために鍛え抜かれた胸板の厚い男の肉体にまとりつくもの。
 そんなわけで、軟弱な着こなしというのはイケませんし、シャツを出したり土足禁止のクルマに乗って着るというのは是非やめて頂きたい。
 だらしなくたらたらと着るのも見苦しいなぁ。
 ファッションとはいえ、やはり軍服ですからね。
 姿勢良く颯爽と歩いて欲しい。
 で、そのハズシですが、私は可愛いキャラ物との組み合わせです。
 キティちゃんなんかは嫌ですが、幼少時より好きだったルーニーテューンズなんかのTeeに組み合わせるようなのが好きなんです。
 あと赤いTeeとか。
 A2にはレッドシルクライニングや赤リブなどが存在するように、妙に赤が似合うんですね。
 勿論カーキやオリープなんかも合いますが、それは定石に過ぎないというわけです。
 いかつい男の世界の服なんですが、そこに「真に強い男は優しく、どこか可愛いい」という原則にもある通り、余裕をかましてロードランナーやバックスバニーと組み合わせるところがまた粋だと思うんですね。
 実際、アメリカのバイロットにはそんな男達が多かったようです。
 スコードロンパッチやバックペイントを数多く見た人だったら「そうだよね」とご理解頂けることと思います。
 極限の世界で「シャレ」をいかに楽しめるかが男の度量の一つてもあったのでしょう。
 軍服にオッパイなんかを書いたら、我が日本軍なら射殺されたと思います。

 
 
 3. A2のメンテナンス
 マッコイやバズのマニュアルなどにもよくある通り、とことん着込むことが最高のメンテと言われています。
 人体から出る汗に含まれる油分がライニングから革に浸透し、それが保革効果を発揮するというわけで、私もこれに賛成です。
 服だもん、着て上げてこそ生かされる。
 ただ、季節によってしまい込むこともあるので、その場合はオイルを擦り込んでメンテしましょう。
 一般に「ホースオイル」すなわち馬脂が一番良いと言われています。
 ホースハイドなら、それは正論でしょう。
 でも、私は専らミンクを愛用しています。
 廉価だからです。
 手で擦り込むというのが王道らしいですが、私は肌がデリケートなので(本当)、肌荒れすると女の子のオッパイを触るときに支障があるため、ブラシでやってます。
 比較的たっぷりめに擦り込み、一晩以上乾かしてからまた別のブラシで磨きます。
 これで今までなんの支障もなくやってこられました。
 たまーにホースオイルを入れるより、まめにミンクを入れる方がいいと私は思っています。
 クルマでいうところのオイル。最高級のオイルをたまーに入れるより、安いオイルをこまめに替える方が絶対にいいのと同じと言う感じです。
 尚、よく
A2を洗うという方がいます。個人の持ち物なので、どう扱おうが自由なので、構わないでしょう。
 でも、
私は絶対にやりません。これだけは絶対に。
 そもそも皮革製品には水洗いするという概念は皆無です。
 絶対に水を避けるという前提で仕上げられています。
 革を鞣し、仕上げるという実に丹念な工程を知れば知るほど、洗うなどという暴力的な扱いなんてできません。
 特にマッコイのA2は実にこだわった色々なフィニッシュの革のバージョンがあり、それが我々愛好家を狂わせている(爆)わけですが、それを水洗いしてしまう方というのは、少なくとも「革好き」ではないと思います。
 確かに着込むと汚れたりライニングに匂いが染み込んだりするかもしれません。
 どんなこだわりクロージングでも、不潔であっては無意味です。
 洗いたくなることもあるでしょう。
 しかし、そうならないためにも、普段から色々心掛ければいいんですよ。
 大汗を掻く状況ではなるべく着ない、脱いだときはすぐに風通しの良いところに干す、汗を掻いたときは裏返して干す。
 たまに裏返して日光消毒する。

 それがめんどくさいという方は、極力革じゃない服を着ることをおすすめします。
 また、
早く着用感を出したいので洗うという方は問題外だと思います。
 淡々と永い間着込み、着ることを楽しみながら、また着用感がジワジワと出てくるのを楽しむというのがジーンズや革モノです。
 自分だけの一着を作る・・・あるいは育てるという感覚です。
 これは子供を育てるのに似ていますね。
 優しく育てるも厳しくしつけるもよし。
 でも、根底には「大切に」という意識があります。
 良い道はたくさんありますが、近道なんてありません。実に気長な作業です。
 このあたりの感じが分からない方は、違う服を着た方がいいのでは、と思います。

 
A2を水洗いするというのは、ジーンズに例えれば漂白剤で洗ったり、軽石で擦ったりするのに似ていますね。
 ジーンズを軽石で擦ってうまくいけば、場合によっては手軽にカッコイイ色落ちになるかもしれません。
 でも、それをアリだと思う人はあまりいないでしょう。
 少なくともこだわり野郎なら。
 自分らしく着て、自分らしさが刻み込まれる。
 これが、私の考えるこだわりクロージングです。

4. どんなフライトジャケットを選ぶか
 こだわったフライトジャケットは決して安価ではありません。
 慎重にじっくりと選んで欲しいものです。
 最初に買って欲しいのはやはりA2ですね。
 A2を体験し、しばらく着込んでみて、なんだかいいもんだなぁと思えたとしたらあなたもFJ野郎の仲間入りです。
 しかし、こだわったA2は本当に高い。
 バズで10万、マッコイで16万です。
 ですから「取り敢えず体験してみたい」という程度の方ならL-2系をお奨めします。
 バズでもマッコイでも3万5〜6千円程度です。